底なしの穴 - 川越大師 喜多院
底なしの穴

底なしの穴

喜多院の山門のすぐ正面には、国の重要文化財になっている日枝神社があります。この神社の狭い境内には、昔から「底なし穴」と呼ばれる大きな穴があり、覗き込んでも決して底が見えない、それはたいへん深い穴でした。

ある日のことでした。近所に住む人たちが、「一体、この穴はどれくらい深いのか知りたいな。」、「ひとつ、何かをほおり込んでみようか。」と相談して、鍋を投げ込んでみました。そして耳を澄まして待ちますが、いつまでたっても落ちた音がしません。「おかしいな。」それではとお椀や下駄などを投げ込んでみましたが、やはり何ひとつ音がしません。

「一体、どうなっているんだ?」と皆が穴を覗き込んでいますと、500メートルほど離れている双子池(竜の池弁天・ここも仙芳仙人が竜を祀ったといわれる伝説のある池/上写真)の方からやって来た人が「池に物がたくさん浮かんでいるぞ!」といいますので、行ってみると、さきほど日枝神社の穴に投げ込んだものが池の水面にポッカリと浮かんでいるではありませんか!

人々は今さらながら不思議な穴だと驚いて、この穴を「底なしの穴」と呼ぶようになったといことです。