お化け杉 - 川越大師 喜多院
お化け杉

お化け杉

喜多院の山門から前方に歩いたところに斎霊殿(閻魔堂・この墓地には高林謙三と西川錬造のお墓があることで有名)がありますが、堂内には昔、蛇紋杉(じゃもんすぎ)と呼ばれる、高くそびえる杉の木が立っていました。

たいへん古い杉で、木肌がまるで蛇の背中のシマ模様のような姿をしていたそうです。人々は気味悪がっていましたが、ある日「よし、切り倒してしまえ!」と大ぜいで杉の木にマサカリで切りつけました。そうするとなんと切り口から血がタラタラと流れ出るではありませんか。皆これにはびっくりしてすぐに逃げ帰ってしまいました。そして、その杉の木を切った者たちは、重い病気にかかってしまったということです。

そして、この杉の木を遠くから眺めた人たちは、「おや、閻魔堂には大きな松があるのかなあ。」と言いますので、近づいてよく見ますとそれは杉の木なので、びっくりして、もとのところまで帰って見てみますが、そこからですとやっぱり松の木に見えるのだというのです。やはりこれは不思議な木だと、皆思っていました。

それで、人々はこの杉のことを「切血出(きりちで)の杉」とか「お化け杉」と呼ばれるようになり、皆たいへん怖がっておりましたが、今ではその杉の木も跡形もなくなったということです。