小江戸川越と歌麿の世界inニューヨーク
川上勝弘、ニューヨークで和菓子を作る
埼玉県川越市を中心とした県西部の若手経営者らでつくる「川越style倶楽部」が、米国時間の10月30日夕、在ニューヨーク日本国総領事館公邸で「小江戸川越と歌麿の世界inニューヨーク」を開催しました。私、川上勝弘も「川越style倶楽部」のメンバーとして、ニューヨークへ渡りました。
「小江戸川越と歌麿の世界inニューヨーク」は、経済産業省の補助事業にも認定され、会場となった在ニューヨーク日本国総領事館公邸は、築百年以上という歴史的建造物で、民間に貸し出す初めてのケースとなり、外務省もこの画期的なイベントに協力していただきました。
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在ニューヨーク日本国総領事館公邸が晴れの舞台です。 |
今回、私たちは、米国人によく知られている浮世絵の喜多川歌麿に着目、「歌麿は川越出身」という説があり、歌麿が活躍した江戸時代を切り口に川越の文化を実演で紹介、川越をPRいたしました。当日のプログラムは、書道パフォーマンス、日本舞踊、江戸の食文化トークショー、川越style倶楽部アレンジのおもてなし料理、和菓子実演、川越祭りの祭り囃子の生の音と踊りと盛り沢山の内容でした。
私は、和菓子実演の担当として、また川越の和菓子職人として、何をお出ししようかとかなり悩んだのですが、『歌麿』がテーマとしてあったので、歌麿が描いた美人画、その美しさと艶っぽさを表現できないかと考え、試作に入りました。あわせて健康志向の強いニューヨーカーに植物性食品を原料とするヘルシーな和菓子の魅力を伝えたいとも考えました。試作段階では、岸朝子先生に助言をいただいたり、川越スタイル倶楽部のメンバーともよく話合い、たどり着いたのが色とりどりの餡を葛で包んだ和菓子『小江戸美人』でした。
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色鮮やかな『小江戸美人』をお客様の前で作りました。 |
お客様の前で本葛を使った皮生地をつくり、にんじん餡(Carrot)、かぼちゃ餡(Pumpkin)、枝豆餡(Green Soybeans)、紫芋餡(Purple Sweet Potato)、さつまいも餡(Sweet
Potato)、ラズベリー餡(Raspberry)、きんかん餡(Kumquat)の7種類を手早く包む姿を披露するという趣向で、おしろいに見立てたさつまいも粉をまぶして『小江戸美人』の出来上がり。鮮やかな色はすべて素材そのものの色です。
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私達に同行された料理記者歴50年・岸朝子さんと一緒に! |
鮮やかな色とりどりの和菓子の競演を会場の皆様にも喜んでいただき、和菓子職人としてたいへんうれしく思いました。外国人の方々からも「素晴らしい」というお声もいただくことができました。
今回、アメリカで「和菓子」というものを伝える立場になり、その歴史や成り立ちをあらためて見直すことで、大きな発見がありました。それは和菓子はアートであり、また日本の四季そのものでもあり、喜びのときも悲しみのときも欠かすことの出来ない名脇役として歴史の中で育まれてきたということです。「和菓子」の存在や価値を再認識する、貴重な体験ができたことを心からうれしく思います。
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和菓子職人in ニューヨーク。賑やかなタイムズスクエアをバックに。 |
ふじ乃では、「小江戸川越と歌麿の世界inニューヨーク」で披露された和菓子『小江戸美人』の販売も検討しております。どうぞお楽しみに!
ありがとう!ニューヨーク!!!
川越スタイル倶楽部ニューニョークプロジェクト
http://www.kawagoe-style.jp/
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