川越の文明開化

郵便制度(ゆうびんせいど)の夜明け

江戸時代の飛脚(ひきゃく)をもとにしたのが郵便事業の始まりでした。前島密(まえじまひそか)は欧米(おうべい)にならってこの郵便事業を立案しました。郵便事業の創設は、「富国強兵(ふこくきょうへい)」「殖産興業(しょくさんこうぎょう)」「文明開化」にとって郵便が役立つとされたからでした。明治4年(1871)3月1日、郵便役所が東京・京都・大阪に設置され、このとき郵便切手も発行されました。全国に郵便が普及するのは明治5年(1872)7月ごろでした。
川越に郵便役所が設けられたのは、この明治5年7月1日のことで、喜多町に「川越郵便取扱所(とりあつかいしょ)」が設けられました。同町の水村与右衛門が自宅を開放し、郵便切手の販売や郵便物の町内外への配達、引継ぎ業務を行いました。

志義町(仲町)へ新築移転した川越町郵便局